ものづくり補助金・事業再構築補助金の公募内容が変わります
直近の公募回では、事業再構築補助金が10月16日締め切り、ものづくり補助金が11月7日締め切りでした。
通常スケジュールですと、締め切り後1〜2週間で次の公募回の公募要領が公表され、およそ3ヶ月後に締め切りとなることが多いのですが、今回は両補助金とも「準備中」とのことでなかなか公表されませんでした。
その間に、内閣府による秋のレビューや令和5年度補正予算の成立などがあり、それらを受けて両方の補助金の公募内容が変わることが中小企業庁より公表されました。
以下に、簡単ですが公表資料をもとに変更点を記載いたします。応募枠の変更や公募内容の変更が予定されているなど、これまでの公募回とは異なる内容になっていますので、応募を検討されている事業者様はご注意ください。
(1)ものづくり補助金 第17次公募
大きな変更点は、応募枠が再編され4枠となった点です。
・「デジタル枠」が廃止され、近い募集枠は「省力化(オーダーメイド)枠」「製品・サービス高付加価値化枠ー成長分野進出類型(DX・GX)」の二つです。ただし、「省力化(オーダーメイド)枠」は、”SIerに自社用にカスタマイズしたAIや画像診断等を取り入れた製造システム等により、自動化や24時間稼働を可能にした”等の事例となっており、これまでより応募ハードルが上がったように感じます。
また、デジタル枠は補助率2/3でしたが、省力化枠では1/2となっています。(補助上限枠は1,500万円に拡大)
ERPソフトや在庫・会計・出荷・製造のデータ化と連携ソフトの導入希望でご相談を受けることも多いですが、そのような事例の場合、活用が難しいと感じています。その場合、補助率も変わらないIT導入補助金の活用をお勧めします。
・「グリーン枠」が「製品・サービス高付加価値化枠ー成長分野進出類型(DX・GX)」となりました。グリーン枠は、「エントリー」「スタンダード」「アドバンス」と分かれ補助上限額が異なりましたが、新枠で分かれるかはまだ分かりません。こちらの補助率は2/3で変更ないようです。
・「通常枠」と「回復型賃上げ・雇用拡大枠」は「製品・サービス高付加価値化枠ー通常類型」へ統合されました。通常類型(補助率1/2)の中で、”小規模・再生事業者”と”新型コロナ加速化特例”が補助率2/3へ引き上げられているため、ここが「回復型賃上げ・・・枠」を引き継ぐものと思います。
・事業完了日が”令和6年12月10日”と既に決められており、事業期間が短期間となっています。
・今回の予算による募集は”あと2回程度実施”とあり、それ以降は継続は未定、または公募内容が変わるものと考えられます。現時点(2023年12月22日)で次回公募要領は公表されていませんので、仮に年明けに公募要領公表とすると、次回締め切りが3月上旬〜4月上旬、次々回公募の締切が7・8月かもしれませんが、事業完了日が12月10日であることを考えると、公募締め切りはそれぞれ早まるかもしれません。
事務局の公表情報はこまめにチェックしましょう。
参考情報:中小企業庁「令和5年度補正予算 ”ものづくり補助金”(令和5年12月10日公表)」
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r5/r5_mono.pdf
(2)事業再構築補助金
事務局より今後についてのお知らせが掲載されました。内閣府の秋のレビューで本補助金に対する大変厳しい意見が出されていましたが、それを受けて第12回以降の公募内容を見直してから公募を再開するとのことでした。
また、併せて10月16日締め切りの第11回公募の採択結果公表も延期とのことです。(どちらも2023年12月8日公表)
基金の解散など事業再構築補助金の制度を根本的に見直す意見が付されたレビューでした。事業再構築補助金は、これまでも大きく公募条件や内容が変わっていっており、当初とはかなり内容が異なるものとなっていますが、第12回以降の公募でもさらに内容が変わると思われます。
事業再構築補助金への公募をお考えの事業者様は、事務局公式ホームページをこまめに確認し、最新情報が得られるようにしておきましょう。
事務局ホームページ:
https://jigyou-saikouchiku.go.jp